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◆ゆのつ旅情
〜哀愁漂う橋ノ階の磯〜温泉津村の古文書の記述を起こしながら村古図を温泉屋(ゆや)から海辺へと歩く。谷底の一本の狭い道は銀山街道。村の上口から海辺へと伸びている。この道を挟んで両側に町家が窮屈そうに連なりあっている。上口の頭は温泉屋屋敷と温泉津出口御番所で、温泉屋屋敷の内に御薬師堂と浴 屋がある。隣に大森御役所の御茶屋がある。道の左右に入湯宿の名板を掲げた入口が並ぶ。薬師屋、まつや、かどや、福光屋、あぶらや、山梨県丸畑の木喰行者行道も宿泊した浄土宗龍沢寺、甲屋の七軒が下口の方へ連なって並んでいる。入湯宿の名板が見当たらなくなると、村の年寄役を勤める木津屋の上屋敷が現れてくる。次に天正15年(1587)温泉津村に旅装を解いた細川幽斎と関わりのある日蓮宗恵光寺、浄土真宗西楽寺の偉容な寺院構えに会う。さらに下って行くと商家の構が並ぶ中町に入る。御廻米の御米蔵があり四ツ門を過ぎると、廻船問屋、船宿の集まる本町、岩崎に出る。岩崎は温泉津浦の玄関で、浦の浜際には、温泉津船表御番所がある。浜辺の先端の磯道沿いに、橋 ノ階というところがあり、幾人かが座れる大岩がある… 現在は長椅子替りのコンクリートの長方形の塊が湾の岬の方に向かって置かれている。腰を下ろして岬の沖を眺望すると、U字型の深い湾内が目に入る。多くの旅人達が足を止めて眺めて行き、いつの時代の人たちをもいやし慰めて来た落陽の入り江、磯に打ち寄せるさらさ波、月光にきらめく海面、ゆのつみなとの風景は、背後に 往古の歴史が山から海から流れ混んで、今なお息づいている往古の風景であり、温泉(ゆ)とみなとの村の風景でもある。 |
![]() ◆湯治の湯 泉薬湯◆ 自然湧出する 源泉の湯 湯の花が浮かぶ濃厚な泉質が様々な効果をもたらします |
![]() ◆湯治の宿 長命館◆ 築百年 木造三階建 どなたでも安心して泊れる信用ある旅館です |